そこに愛はあるんか!

 本日紹介するのは元阪神百貨店の社長『三枝輝行氏』のお話です。私も存じ上げていなかったのですが、友人より三枝氏の話をお聞きし非常に興味を持ちました。三枝氏は百貨店という業界に『デパ地下』を作った方として有名です。今では『食の阪神』と庶民から親しまれるまでに阪神百貨店を育てた方です。


 さて、前置きは割愛いたしますが、岐阜県の古川町に飛騨牛を肥育している生産者がおられ、その牛肉が絶品で三枝氏が惚れ込みます。そして三枝氏とその部下が何度もお願いしようやく飛騨牛を販売して頂けるようになり、三枝氏がお礼を述べに岐阜の生産者(山村さん)に訪問するところから紹介いたします。


三枝:『山村さん、この度はありがとうございます。大阪のお客さんはきっとこの肉を待ち望んでいることでしょう。』


山村:『三枝さんせっかく来られたのですから、牛舎を覗いていかれませんか。ご案内しますよ。』と誘った。


牛舎に着くと、山村は一頭一頭の様子を注意深く見て回った。そして『おい、今日は何だか元気がいいな。どうした?』『鼻水が出てるぞ、風邪でも引いたんじゃないか?』などと、まるで可愛い我が子に語りかけるように、優しく声を掛けるのであった。


三枝は関心した。八百頭の牛を一頭ずつ、その動静を把握しているのであった。その牛たちは産まれてから三年八ヶ月から四年でと畜され飛騨牛になるのである。


三枝:『山村さん、あなたにとって仕事のやりがいとは何ですか?』と尋ねずにはいられなかった。


山村:『この牛舎で肥育した牛たちの80から90パーセントが5等級の最高品質の牛肉になります。その評価を受けた時の喜びこそが、この仕事のやりがいですよ。すごく可愛いがった牛の肉は100パーセント5等級の最高級肉になりますが、あまり手をかけてやれなかった牛は品質が落ちます。三枝さん、不思議なものでしょう。同じ環境で同じ餌を与えてても愛情のかけ方ひとつによって、仕上がりの肉質が異なるんですよ。


山村からその話を聞かされた三枝は、はっとした。目から鱗の思いがした。人間の愛情がたっぷりと注がれた牛の肉が最高ランクとなり、愛情不足の牛の肉は品質が劣るとは、思ってもみなかった。『愛情』などという非科学的な概念によって、肉質が左右されるとは・・


 思えば阪神百貨店の売り場も愛情のかけかたひとつで、繁盛したり廃れたりする。どうすればお客さんに喜んでもらえる売り場になるかを日々考えて実践し、創意と工夫を凝らす。そんな愛情を持った売り場づくりをすれば、大勢のお客さんが訪れて売り上げもそれに比例して伸びるのであった。


私もこれを読んではっとした。自分自身の行動を省みて『そこに愛はあるんか?』と。本当に良い気づきをさせて頂いた書籍でした。他にも勉強になるエピソードが書かれておりますので、ご興味のある方は是非ご拝読ください。







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