経営の天秤と表現しましたが、経営を評価する上で在庫は非常に大きなウエイトを占めます。なぜなら非常にみおとしがちですが、財務面においては後から重くのしかかってくるのが在庫だからです。
在庫の怖さ
在庫は人間の体て例えるとコレストロールです。過剰で放置すると悪玉コレステロールとなり体を蝕んでいき、やがて病気になります。健康なうちに外科手術ができれば良いのですが、体力が低下すると手術すらできなくなります。在庫はキャッシュが一時的にモノに変わっているだけです。寝かせれば寝かせるほど価値が下がると同時に資金繰りにも影響します。酷いときには評価損、更に酷くなると廃棄損となります。現在では廃棄するコストも上がっています。また、将来廃棄するモノに対して保管料や維持費もかかってきます。本当に踏んだり蹴ったりです。笑
在庫にも定期検診を!(数値化)
在庫もコレステロールと同様に適正値があります。多すぎると過剰、少なすぎると欠品となります。在庫も血液検査と同様に数値化し、チェックをする必要があります。皆さんの会社ではできておりますでしょうか?
経営を悪化させる要因
経営を悪化させる要因はいくつもありますが、発注に関しては以下のようなことが起こります。
・過剰発注
需要よりも多く発注してしまう
・過早発注
需要よりも早く発注してしまう
ではどうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか?
・数値化されていない
・ルールがない
・情報(市場動向)がない
上記のどれかが抜けているだけでも過剰在庫や売上機会損失を発生させてしまいます。
以下のような情報があれば如何でしょうか?
・出庫回数=何回出庫されたか?
・出庫数量=何個出庫されたか?
・在庫数量=現在の在庫数量
・経過日数=期首からの経過日数
・出庫/日=出庫数量÷経過日数(日当たりの平均出庫数量)
・在庫日数期間=在庫数量÷出庫/日(何日分の在庫を保持しているか?)
上記があるだけでも過剰発注は防げますよね?もし過剰在庫になるとすれば市場環境の悪化により急激に需要が低下するケースですよね。その情報が営業から発注担当者に共有できていれば回避できます。しかし、情報共有されていないと防げません。
在庫期間が長くなる理由
在庫期間が長くなる理由は過早発注もしくは売上不振によるものになります。売上不振については、市場動向の情報があり発注担当者に共有できていれば回避できると思いますが、市場動向のないものが厄介です。市場動向のないものは新発売の商品です。こればかりはやってみない分からいため出荷速度(頻度と数量)をウォッチしておく必要があります。そのためにも上記で添付したような資料があれば市場投入してどれくらいの期間でその商品の判断をするのかを予め決めておく必要があります。
最後に
なぜ私がこのようなことを書くかと言うと在庫はキャッシュと直結しているからです。以前もブログで書いたようにCCC(キャッシュコンバージョンサイクル)を意識して経営をしないと売上が増えれば増えるほど借入金額も増え、苦しくなるというケースはよく見受けます。皆さんの会社がそうならないように製品、商品を扱う会社は在庫を注視してください。そして、人間同様定期的に血液検査をして数値化情報をもとに健康維持に努めてください。
未来に向けて金利も上がることが予想されますので、尚更ですね。
ダイナリンクス合同会社
代表 松井康成
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