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田辺ロータリークラブ様での講演

更新日:2023年5月2日

 今週木曜日(2023年4月27日)に和歌山県田辺市にある田辺ロータリークラブ様より講演の機会を賜り『侍ジャパンに見る経営視点』というテーマでお話させて頂ました。対象が経営者ばかりということもあり数字で見るWBCとマネジメントで見るWBCについてお話させて頂ました。

 まず数字を語る前に商売の『かけふ』についてお話させて頂ました。阪神タイガースの『かけふ』ではないですよ。これは伊藤忠商事の岡藤さんが考えられた商売の基本『か・け・ふ』つまり、稼ぐ・削る・防ぐの頭文字を取った言葉です。稼ぐは売上、削るは無駄・ミスを無くす、防ぐは無駄な投資をしないという意味です。なかでも一番重要なことは『防ぐ』と強調されてます。なぜなら3点失点すると、それ以上の得点を取らないと試合に勝てません。0点に抑えると1点取れば勝ちます。故に商売の基本は防ぐが一番難しく、重要と説いておられます。さて、これを野球に例えると稼ぐは『攻撃』、削るは『エラー、失策』、防ぐは『投手・守備』となります。侍ジャパンは打率、出塁率、平均得点とWBCでもトップレベルです。しかし、更に良い成績なのが、守備の数字です。防御率、奪三振率、与四球率(フォアボール)、平均失点はWBCのなかではどの項目も1位です。

※奪三振率については韓国のみ日本より良い成績ですが、1リーグ敗退なので意味は違います。

いかに失点しないか?がどれほど大切なことかが数字で見ると良く理解できます。また、この数字はチームとしての数字から選手単位の数字にも分解されます。例えば日本人投手で与四球が多い選手は誰か?与四球が多いと防御率が下がるからです。ではなぜ与四球を出してしまうのか?その選手の課題はなにか?個人レベルの積み上げがチームレベルとなるため、個人レベルの引き上げはチームが勝つための必要条件となります。チーム状態を可視化することで、問題や課題を理解することができます。それと同時に課題の共有認識が生まれることでチームベクトルを合わせることもできます。当たり前ですが、見えないものはコントロールできません。可視化は基本です。

 次はマネジメントで見る侍ジャパンですが、リーダーとメンバーの視点でお話します。まずリーダーつまり栗山監督視点では『リーダーは選手の能力を引き出すための黒子』『選手を信じきる力』『なにより選手の成長を優先』この3点です。今までのリーダー像は指示を出す人というイメージの方が多いと思います。でも栗山監督は選手と対話し、選手のフィジカル面、心理面、相手チームの状態を鑑みて意思決定をされてました。村上選手については、1次リーグからトーナメント1回戦までは打率が低く、普通なら交代のところを起用し続けました。それが準決勝、決勝での決勝打につながりました。栗山監督が最後まで信じて起用したのは、村上選手の能力を世界に示したかったそうでうす。そして一番素晴らしいのは『選手の成長を優先』することです。勝ち負けはその時の運もあります。しかしそれ以上に選手が成長するということが運に頼らず未来の勝率を上げることにつながると思います。

 次にメンバーシップですが、『チームを強くするための積極的なコミュニケーション』『自己犠牲の精神』『異文化、異分子を受け入れるオープンマインド』です。村上選手が不振の時、大谷選手と吉田選手が村上選手のバッティングフォームについて、アドバイスしてくれたそうです。また、ダルビッシュ投手は自分の練習よりも他の投手への指導、アドバイスを優先していたそうです。ダルビッシュ投手は大会で打たれたのは自身の調整する時間が無かったからのようで、大会後栗山監督がそれをダルビッシュ選手に謝ってます。そして、ヌートバー選手を受け入れる環境づくりの素晴らしさですね。これがチームビルディングというものです。恐らく栗山監督はフィジカル面、技術面だけではなく、チームスポーツとして大切なチームファーストができる選手を選んでいるように感じました。

 これは企業でも同様です。自分のパフォーマンスばかりでチームワークを考えない人はいませんか?また、パフォマーが評価されてしまうような人事評価になってませんか?評価するに当たり何を重要視するかチームに伝えてますか?スタッフの成長を優先されてますか?経営の可視化は出来てますか?これを機に皆さんの経営の棚卸しをしてみてはいかがでしょうか?


ダイナリンクス合同会社

代表 松井康成




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