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仁・義・礼・智・信

 この言葉は五常または五徳と言われ儒教で説く5つの徳目です。私はこの言葉は知っていたのですが、特に気になったのは東郷平八郎がきっかけです。日露戦争で当時世界最強と言われていたバルチック艦隊を東郷東郷平八郎率いる日本海軍が破ったことは有名ですが、後に彼は日本海軍がバルチック艦隊に勝てたのは小栗上野介殿(おぐりこうずけのすけ)が横須賀造船所を作ってくれていたからだと仰っております。


 横須賀造船所は、1865(慶応元)年、当時の勘定奉行の小栗上野介が、製鉄所やドックとともに建設に着手したもので、当時としてはアジアで最大級の港湾建設だったといいます。当時幕府は財政難に加えて薩長との戦いで存亡の危機に陥ってました。幕府からは反対の意見も多く、建設中止の指示もありましたが、それを無視する形でこの造船所を推し進めました。その後、小栗上野介は新政府に捕えられ、罪状も明らかにされないまま斬首されてしまいます。日露戦争でバルチック艦隊を打ち破ったのは横須賀造船所完成から38年後のことです。


 東郷平八郎にとって、いや、日本にとって、小栗上野介は、それほどの恩人に値するのだろう。小栗上野介は、この横須賀造船所の建設のほかに、日本最初のフランス語学校の設立、フランス式陸軍制度の導入、日本最初の株式会社組織「兵庫商社」の設立などなど、多くの事業を残している。明治の近代化は小栗が残した遺産の上に成り立ったともいえるといえます。大隈重信も『明治政府の近代化政策は、小栗忠順(ただまさ)の模倣にすぎない』と発言されてます。


 そして東郷平八郎は小栗上野介の子孫を探し、会って以下の書を贈っています。

『仁・義・礼・智・信』小栗殿はこの全てを備えた人であったと。



(じん)人を思いやること。具体的な心構えとしては、「己れの欲せざるところ、これを人に施すなかれ」「仁」とは、思いやりの心で万人を愛し、利己的な欲望を抑えて礼儀をとりおこなうことである。

(ぎ)利欲にとらわれず、なすべきことをすること。

(れい)「仁」を具体的な行動として表したもの。

(ち)道理をよく知り得ている人。知識豊富な人。

(しん)友情に厚く、言明をたがえないこと、真実を告げること、約束を守ること、誠実であること。


私もかくありたいと願います。

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